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外向型の性格が理想?「内向型人間のすごい力」

パーソナリティ心理学の最新知見が書かれたハーバードの心理学講義の本で紹介されており、内向型の強みを知りたいことから本書を読みました。

自分らしさとは?「ハーバードの心理学講義」

現代社会、なかでもアメリカでは、幼稚園から企業の会議室に至るあらゆる局面で外向型が理想的な性格特性だとみなされているが、実は内向型にも外向型にも負けない優れた側面がいくつもある。

ブライアン・R.リトル著:自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

外国型の人間が理想とされる風潮に一石を投じた全米ミリオンセラー本です。

概要

本書は、パーソナリティ心理学で研究されている「内向型と外交型」がテーマです。内向型と外交型の明確な定義はないが、人間の性格はどちらかの特性が強いようです(両向型もいます)。

本書の中で、内向型と外向型どちらに属するか、以下の20の質問が紹介されています。あてはまる数が多いと、内向型の確率が高いです。

  1. グループよりも1対1の会話を好む。
  2. 文書のほうが自分を表現しやすいことが多い。
  3. ひとりでいる時間を楽しめる。
  4. 周りの人に比べて、他人の財産や名声や地位にそれほど興味がないようだ。
  5. 内容のない世間話は好きではないが、関心のある話題について深く話し合うのは好きだ。
  6. 聞き上手と言われる。
  7. 大きなリスクを冒さない。
  8. 邪魔されずに「没頭できる」仕事が好きだ。
  9. 誕生日はごく親しい友人ひとりか二人で、あるいは家族だけで祝いたい。
  10. 「物静かだ」「落ち着いている」と言われる。
  11. 仕事や作品が完成するまで、他人に見せたり意見を求めたりしない。
  12. 他人と衝突するのは嫌いだ。
  13. 独力での作業で最大限に実力を発揮する。
  14. 考えてから話す傾向がある。
  15. 外出してから活動したあとは、たとえそれが楽しい体験であっても、消耗したと感じる。
  16. かかってきた電話をボイスメールに回すことがある。
  17. もしどちらか選べというなら、忙しすぎる週末よりなにもすることがない週末を選ぶ。
  18. 一度に複数のことをするのは楽しめない。
  19. 集中するのは簡単だ。
  20. 授業を受けるとき、セミナーよりも講義形式が好きだ。

内容を一言でまとめれば、外交型が重視される社会において、あまり顧みられることのない内向型の強みと魅力を明らかにすることとなるでしょうか。ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、ウォズニアックといった人々が、内向型ゆえに、いかにして偉業を成し遂げたか検証されています。

心理学や生物学、脳神経科学、社会学など、幅広い視点から語られるのが本書の特徴です。章立ては以下の通り。

  1. “誰からも好かれる人”の隆盛
  2. カリスマ的リーダーシップという神話
  3. 共同作業が創造性を殺すとき
  4. 性格が運命づけられているのか?
  5. 気質を超えて
  6. フランクリンは政治家、エレアは良心の人
  7. ウォール街が大損し、バフェットがもうかったわけ
  8. ソフトパワー
  9. 外向的にふるまったほうがいいとき
  10. コミュニケーション・ギャップ
  11. 内向型の特性を磨く方法

外向型が理想となった背景

著者によれば、外向型が理想とされるようになった背景には、20世紀の「人格の文化」から「性格の文化」への文化的変容があります。

人格の文化においては、自分がどうふるまうかが重視されるので、思慮深く、規律正しく、高潔な自分が理想とされます。それに対して、性格の文化においては、他人が自分をどう見るかが重視されるので、目立つ、おもしろい自分が理想とされます。

人格の文化から性格の文化への変化は、農業社会から工業社会への急激な発展の影響があります。農場では、幼い頃から知っている人々と付き合っていたが、ビジネスでは、誰もが隣人ではなく見知らぬ人と働くので、どう好印象をもってもらえるかの問題があり、演技者(パフォーマー)としての役割が必要とされます。利己的な理由のために外向的な性格を築くよう促されました。これは匿名化が進んだ競争社会で光り輝く手段のひとつです。

知らない人にモノやサービスを買ってもらう資本主義では、外向型が理想とされ、目立つことが重視されることに納得するものの、違和感はあります。
それは、もっと人格の文化を取り戻したいと思うからです。アメリカに比べて日本のほうが人格を重んじる文化があると思うので、日本人として日本の文化を学ぶ必要性を感じます。

内向型人間の強み

本書で紹介された内向型人間のすごい力を抜粋します。

  • 研究の結果得られたもっとも興味深い発見のひとつは、すばらしい創造性に富んだ人々は落ち着いた内向型だという点で、のちの研究でも同じ結果が得られた。
  • 内向型は単独作業を好み、孤独は革新の触媒となりうる。
  • ひとりで働け。独力で作業してこそ、革新的な品物を生み出すことができる。委員会もチームも関係なく(ウォズニアック)。
  • 外向型が社会でのリーダーシップをとる傾向があるのに対して、内向型は思索や芸術の分野でリーダーシップをとる傾向がある。
  • 内向型は、持続力や問題を解決するためのねばり強さ、思いがけない危険を避ける明敏さを持っている。
  • 財産や社会的地位といった表面的なものに対する執着はあまりない。それどころか、最大の目標は自分自身の持てる力を最大限に利用することだったりする。
  • 内向型の人は、自分が重要視する仕事や、愛情を感じている人々、高く評価している事物のためならば、外向型のようにふるまえる。

強みとして、創造性、ねばり強さ、危険察知能力が挙げられます。ゼロから新しい価値を生み出すことが、今後ますます重視されてくると、内向型人間の活躍の場が拡がると感じました。

さいごに

本書は、内向型の強みを強調していますが、外向型を否定している訳ではありません。外向型が理想とされているなかで、内向型ももっと評価されるべきであることが意図されているようです。

最後に印象に残った一節を引用しておきます。

内向型の人間が、クリエイティブな発想や、ねばり強い持続力、緻密さといった独自の能力を存分に発揮し、社交的で行動力にあふれ瞬発力がある外向型と補完しあってこそ、すばらしい成果がもたらされる。

それぞれの性格の強みを認め、発揮することが大事ではないでしょうか。